コラージュとは

前回、お化け屋敷って何故怖いんでしょう、と綴りました。

本物のオバケじゃないし、どこからか出てくるということを分かっていても驚きます。

お化け屋敷が明るくて、何がどう出てくるか分かれば怖くないですよね、きっと。

(それではお化け屋敷の意味がないですね・・・)

他にも例えば、

夜に窓の外で物音がすることに気づいて恐る恐る覗いて見たら夜回り中のネコがいたとか、取り込み忘れていた洗濯物が風に揺られて窓を叩いていたとか、原因が分れば怖くなくなります。

悩みもそんな感じで、見えないからしんどい、苦しいのではと思うのです。

何かの選択をする時にどうするか迷うことがあります。

でも何故迷っているのだろう・・・。

人間関係で生じた苛立ち、悲しみの意味。

その意味すら言葉にできない何かモヤモヤとした感じ。

全ての悩みの元を明確にするものではありませんが、コラージュには心にあるモヤモヤを明確にする手助けする手段になると私は考えています。


さて、

 コラージュとは

 『糊で貼り付ける』という意味のフランス語です。

 心理療法の一分野である芸術療法に属するものです。

 方法はいたって簡単!

 雑誌やカタログ等から気になる写真や絵などを切抜き台紙に貼っていきます。


芸術療法の種類によっては得意・不得意があって苦手意識を持つ方もいることと思います。

本来はその作品の出来栄えを問うものではないのですが、例えば色鉛筆等で描く描画療法は苦手意識のある方には抵抗があると思います。

そんな描画と違ってコラージュの良い点は上手・下手、得意・不得意に左右されないというところです。元々完成されたものからの切り貼りですので取り掛かりやすいですし、仕上がりは自分なりに満足のできる作品になります。

むしろ童心に戻れて楽しいくらいです。

コラージュを体験された方は男女問わず『楽しかった』と感想を述べられます。


切り抜き作業中では、何気なくめくった雑誌のページに何故だか気になるものはあるものです。

それは意識できている気持ちを表したものだけではなく、無意識にあるものだったりします。


例:やってみたかったこと、行きたかった場所、欲しかった物を思い出した

  心にあったモヤモヤした感情にピッタリくる表情をした犬の写真

  イライラした思いは『まさにコレ』と言いたくなるようなポーズをした猫の写真

  うまく言葉にできずにいたけれど、『まさにコレ』という言葉

  大好きな風景、動物、花 

等々、その人それぞれに見つかります。


それらをどんどん切り抜いて、台紙に並べ貼っていくその作成過程で心の整理ができたり、癒し効果が得られます。



意識的に心に閉じ込めておいた思いも直接的な言葉ではなく、写真(やイラスト)でなら表現しやすいですし、

何だかモヤモヤした思いもピッタリ心に沿う写真によって、それが怒りなのか、悲しさなのか、寂しさなのか、はたまた別の思いなのか、に気づくことがあります。

また逆に表現するのは『今じゃない』ということもあるかもしれません。

様々な自分自身の感情に気づき、表現する(またはあえて表現しない)ことが心の整理につながるのだと思います。

気づかなかった気持ちを自分自身で労うことができます。

そういった点から、コラージュには心にあるモヤモヤを明確にする手助けする手段になると私は考えています。


コラージュ作成してからしばらくして、『はっ!!』と何かに気づくこともあります。

作成当初に感じたさらに奥にあるものに気づくことがあるのです。

それがコラージュの面白さの一つでもあると思います。

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