ペットロス

動物番組が好きで良く見ています。そこで視聴者投稿映像も見る機会が増えたので少しずつ猫にも興味が湧いてきましたが、実家で犬を飼っていた経験から、断然犬派です。

その子に出会って初めて、犬にも性格があること、表情や感情が豊かで、家族の(人間)の気持ちに敏感で、同じ犬種でも顔立ちも皆それぞれに違うということを知りました。

同じ犬種の集団の中から、 “うちの子”を探せ、的な競技があったらすぐ分かります!

おそらく、『私も!』とおっしゃる方は多い(というか、皆?)と想像しています。

家族“同様”ではなく、家族なのです。『ペット』でもないのよ。

そんなわけで『ペット』とか『エサ』、『飼う』という言葉に抵抗があるのですが、便宜上使用します。


動物の平均寿命

●人間・・・女性87.45歳、男性81.41歳

     ※厚生労働省のまとめ(2019年)

●犬・・・約14.44歳 

●猫・・・約15.03歳

     ※一般社団法人ペットフード協会発表『全国犬猫飼育実績調査』発表(2019年12月23日付)


人間側に思いがけない出来事がない限り、動物たちは人間の私たちより先に寿命を迎えることになります。

それが人間の責任であるとはいえ、そのことを考えるだけで悲しくなってきます・・・。

そして本当にペットが亡くなってしまった時、その喪失感、悲しみ、苦しみ、後悔はとうてい言葉で表せるものではありませんし、二度と立ち直れないような思いに心を支配されるといっても過言ではありません。

それほど私たちにとって大切な存在なのです。


辛いですが、ペットと死別した時の心の過程をみてみましょう。

※あくまでも一般論なので程度や期間は人により異なります。


(ある人の場合)

ペットの死

  ↓

涙が止まらない

後悔

寂しい

つい寝床やエサを置いていた場所に目をやって探してしまう

買物に行った際、もうエサは買わなくていいんだ、もう○○を買わなくていいんだと思って、喪失感に襲われる

   ↓

   ↓

   ↓

ふと気づくとまた笑顔になっている

思い出してまた泣く

  でも、懐かしい涙になっている

  一緒に過ごした幸せな時間を思い出す


ここまでの期間・・・

3日~2、3週間、長い人は数か月。

しかし、何年経ってもその子を思い出すと涙が出てくる、まるで昨日死別したかのように深い悲しみに襲われ、なかなか立ち直ることができない状態を『ペットロス』と言います。

※『ペットロス』とはペットを亡くしたことに対する悲しみや喪失感、と広く認知されているので、今回はその視点で綴っていきます。


ペットとの死別は悲しいのが当たり前です。『当然の悲しみの反応』です。

なぜなら、とても大事な存在だったのですから。

愛がなければ心は動きません。

それでも・・・。

悲しいけれど、人はその悲しみを少しずつ消化しながら生きていくことができます。

今は暗い闇の中にいても少しずつ日常に戻っていくことができます。


その一方で、悲しみが長引く場合があります。それは何故なのでしょう。

“グリーフワーク“という言葉を聞いたことがありますか?“喪の仕事”とも言います。

人間の場合、亡くなった時にはお葬式が行われ、皆で集まり、泣き、思い出話を語り合っては泣いて、悲しみをお互いに分かち合います。

お葬式は遺された私たちの悲しみを味わいやすく、そして心を支えてくれるといえます。


では、ペットとの死別におけるグリーフワークの機会はどうでしょう。

仕事も休みづらいし、何事もなかったかのように仕事をしないといけないと思ってしまう・・・。

『ペットが死んだくらいで・・・』とか『また新しい子を飼えば』などという無理解に立ち向かわなければならないことだってあります。

私たちが向き合っているのは、誰にも、何にも代えられない『命』の話です。

それなのに悲しい時に『悲しい』と言えない状況に置かれてしまうことがあります。


悲しい時に『悲しい』と言えない。

これほどつらいことはありません。

これこそが、悲しみを長引かせる原因といえます。


グリーフワークを行わないとずっと心に悲しみは残り続けます。

誰かに話すというのは心のケアに大事なことです。

思い出すと余計に辛くなりそうで話したくないかもしれませんが、実は話した方が楽になります。

言葉として外に出してしまうことで浄化されるのです(カタルシス効果)。


最近ではペットのお葬式、人間と一緒に納骨してもらえるお墓、遺骨をアクセサリー等に加工した手元供養の品など増えてきたようです。

これらを利用することも良いと思います。

悲しいと思っている自分の気持ちを大切にしてください。


ある調査の結果では、”ペットロスとカウンセリング”というのは結びつきにくいと思われる数字が出ていました。

しかし、カウンセラーとの対話もペットロスを緩和していく手段のひとつになると思います。

本人の意思に反して励まされたりすることはありませんので、安心してお話しに来てください。





ペットの死に悲しむ人の気持ちが分からないという方がいたら、想像してみてください。

大事にしていた物を無くしてしまったら・・・

大事な物が自分のせい、または誰かによって破損したり、盗まれてしまったら・・・

あなたにとって大事な物でも他人にとってはそれほどでもない物かもしれません。

それを『たかが、○○を無くしたくらいで』と言われたどうでしょう。

それでも『たかが、ペットが死んだくらいで』と言いますか?

理解できないことがあるかもしれませんが、目の前で泣き、苦しんでいる人に『たかが・・・』なんて言わないでいてくださいね。

たとえ泣いていなくても、いつもどおりの様子でも心はとても苦しいのです。

だから、『また新しい子飼えば』とか言わないでくださいね。

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