認知症について介護の仕事をして思ったこと③ 人生のお師匠編

※過去記事を加筆修正しました


介護の職歴もそこそこ長くなってきて、それなりに(及第点レベル)では仕事できるようにはなっているといつの間にか思っていました。

しかし、ある出来事をきっかけに

『思っていただけで、実際はできていなかったんじゃないか??』

と我に返ったのです。

不用意な言動で利用者の尊厳を傷つけていたかもしれないのです。

それは恐ろしいことです。


そのことを1対1の介助中に利用者さんに話してみたことがあります。

介助されるということを利用者さんが一方的に受けるのもフェアじゃないような気がしていて、話の流れがあれば時々こちらの弱みも重くならないように話します。


 そこそこ仕事はできるようになっていたと思っていたんだけど、

 もしかしたらそう思っていただけで、できていなかったかも。

 そう思うと怖くなったんです。


と話したところ、返ってきたコトバは

 できていても、できてなくても過ぎ去ったこと

 10年経っても、まだできてなかった、じゃ困るけど・・・


年長者としてアドバイスするわけでも、教え諭すわけでもなく呟くように言いました。

その時の光景は今でも覚えています。

相談したかった、とか愚痴を聞いてもらいたくて話したことではありません。

けれど、目から何枚もウロコが落ちた思いでした。

人生の師匠の教えですね。

 できていたとしても、過去のこと。

 できていないと気づいたら、今からどう動くか。

 後悔にとらわれない。

 気づいた時からの修正は可能。

ということだと理解しました。

これは認知症の方とのやり取りです。


言ったご本人はもう忘れているでしょう。


ずいぶん前の話ですが、私の心には残っています。


認知症だから、何もできなくなった人、困った人ではないと思います。

それまでの70年、80年と培ってきたもの全てが失われるわけではなく、

感情も思考もとても豊かだと思います。


勇気をもらったり、

時折見せるちょっぴりダークな部分(?)に何度もクスっと笑わせてくれた方もいます。

発言も口調もユーモアにあふれていて面白く癒されることもしばしばでした。


『何もできなくなった(分からなくなった)困った人』と侮るなかれ、です。

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